対等に近づいていく物語:『ぎんしお少々』における姉妹間の心理変遷(塩原姉妹編)
「トイカメラ」「写真」をテーマとし、登場人物が見せる生の思考、発話、有り様を野心的なほど丹念に描いた漫画『ぎんしお少々』。
本作はその秀逸な出来に、一介の作り手であるボク自身強く感銘を受け、また楽しむこともできる作品となりました。
物語や登場人物を描くことに一家言ある身ながら、それでも一読者として布教記事を書くまでした本作は、人物描写も決して無闇に説明的な表現をせず、結果として物語全体までが、何度読んでも新たな気づきに至り得る、懐の深さをもつまでになった漫画でもあるワケ。
そのため、ただ布教記事を書くだけでなく、考察についてもそのうち記事としてまとめたいと常々考えていました。
……そう思ったのが、もう1年半前だったか。