はみ出し!『ぎんしお少々』語り
この記事はやや感情的な側面や、『ぎんしお少々』以外の作品に対する視点も混じった評となっています。
『ぎんしお少々』について知れればあとは一個人の心情なんてどうでもいい、という方が多いと思いますし、個人的にも本作自体とボク自身の立場は切り離していただきたいので、遠慮なくブラウザバックしてくださって構いません。
それでもご覧になる場合は、上記をご理解の上でよろしくお願いします。
さて。前回の記事で延々その魅力に関する談を垂れ流した作品『ぎんしお少々』。
個人的な嗜好が混じってくる話ですが、ボクは本作をいわゆる「萌え」「日常系」「4コマ漫画」といった観点でも非常に気に入っています。
作り手の端くれとして、幼い頃から漫画を含めた様々な作品に触れてきた身として、特に「4コマ漫画」という表現媒体の意義が何なのかを(とりわけここ1〜2年は親しい読者の方による影響もあり)常々考えてきました。
その中にあって本作は、外見内面共可愛らしさをもつ登場人物が徐々に心を通わせていく姿を、4コマの型の1つである「起承転結」ちょうどそのくらいのテンポに乗せ、日常のコンテクストで1コマ1コマ等しく丹念に描いている作品。これがシナリオのみの観点でも、漫画全般としても、更に4コマ漫画としても非常に上手く機能しているのは、前記事で書いてきた通りです。
技術的な下支えの乏しい安直すぎる奇抜さなどなくとも、ちょっとしたシーン全てがその活かし方と噛み合い方によって作品全体を輝かせ、読者を笑わせたり感動させたりするファクターになることは、本作をご覧いただければ明らか。これこそきららにおいても(無意識的だったのでしょうが)ずっと大切にされてきた、どんなコンテクストや世界設定であろうと優れた作品を紡ぎ得る1つの根幹であり、ひいてはそうして生まれた作品たちにより「きらら」という枠組みを空高く押し上げる土壌にもなっていたハズ。
この辺りの話はカテゴリ分けの域に足を突っ込むほど作品の完成度とは関係がなくなっていくため、ボク自身普段は話題に出さないのですが……
「萌え」「日常系」「4コマ」「きらら」などの枠組みを考慮するしないに拘わらず、卒なく鮮やかに纏まっていると言える本作『ぎんしお少々』こそが、これらジャンルにおけるニュースタンダードとして先陣を切り、その先頭に立ち続けてくれることも、ボクはまた信じてやみません。